2025年夏、北海道の市場に驚きのニュースが飛び込んできました。
「サンマ1匹が約10万円超で落札された」——この見出しに、目を疑った方も多いのではないでしょうか。
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えっ、サンマってそんな高級魚だったっけ!?

実はこれ、「初競り」ならではの特別価格なんです。
一方で、同じサンマがなんと「最終的には1尾1000円で販売」されたことをご存じでしょうか?
たった数日のうちに、“10万円”から“1000円”へ。
この価格差には、驚きと疑問の声が多数あがりました。
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なんでそんなに安くなるの?騙された気がする…

実はこれ、「ご祝儀価格」と呼ばれる伝統的な文化が背景にあります。
この記事では、2025年の初競りで史上最高値を記録したサンマの高騰理由、そしてその後のスーパーでの大幅値下げの背景について、わかりやすく解説していきます。
さらに、過去5年・20年分の初競り価格と水揚げ量の推移データも紹介しながら、
「本当に不漁なの?」「サンマってなぜこんなに値段が変わるの?」という疑問にもお答えします。

「最近、サンマが高すぎて買えない…」

そんな声が増えていますが、その理由には“日本の漁業の今”が深く関わっているんです。
高級魚と化したサンマは、もう庶民の味ではなくなってしまうのか?
あなたの秋の食卓がどう変わるのか——そのヒントをお届けします。
札幌市場での10万円超のサンマ
2025年夏、北海道・札幌の市場に驚きのニュースが飛び込みました。
なんと、サンマが1匹約10万円で販売されたのです。
正確には、初競りで落札されたサンマの価格は――
1キロあたり88万8888円、1匹あたり税抜き9万9999円(約10万円)という破格の値がつきました。
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「1匹で高級寿司20貫分くらい!?」

まさに“サンマ界のロールスロイス”とも言える価格です。
この価格は、これまでの最高記録(2018年の1キロ50万円)を大きく更新し、史上最高値となりました。
■ なぜこんなに高くなったのか?
サンマの初競りでは、毎年ある程度の高値がつくことは知られています。
その背景には、単なる“取引”以上の意味があるからです。
「ご祝儀価格」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、漁の安全や豊漁を願う気持ち、さらには市場や店舗の宣伝を兼ねて、あえて高値で競り落とす文化のことを指します。

「えっ、広告代わりに高値で買うってこと?」

そうなんです。目立つことで報道されれば、広告以上の効果があるんです。
今回、10万円でサンマを競り落としたのは札幌市内のスーパーマーケット。
店長はインタビューでこう語っています。
「毎年、一番競りを狙っているんです。話題になって、お客さんが笑顔で見に来てくれるのが嬉しい」
つまりこの高額サンマは、**話題性とブランディングのための“勝負価格”**でもあったのです。
■ 店頭での反応は…?
この超高級サンマは、札幌市内の店舗に並びました。
値札には、堂々と「1尾9万9999円」の表示が。
店頭を訪れたお客さんからは、こんな反応が相次ぎました。
- 「これ、本当なんですか?」
- 「間違えて99円って書いちゃったとかじゃないよね?」
- 「記念に写真撮ってインスタに載せたい(笑)」

まるで“展示品”のような扱いだったとか。
もちろん、実際に買って食べた人はごくわずか。
販売する店側も「「まあ高いよね。この値段じゃサンマは買えないよね」」と笑いながら話していたそうです。
こうして「サンマ1匹10万円」は、市場全体がザワつく夏のニュースとなりました。
初競り時のサンマ水揚げ量の変化
「サンマって、そんなに獲れなくなってるの?」と疑問に感じた方も多いのではないでしょうか。
ここでは、直近5年間における初競り時の水揚げ量の推移を見ていきましょう。
■ 釧路港におけるサンマ初水揚げ量(推定)
年度 | 初競り日の水揚げ量(トン) | 備考 |
---|---|---|
2021年 | 約1トン未満 | 記録的な不漁 |
2022年 | 約2トン前後 | わずかに回復したが依然少量 |
2023年 | 約1トン台 | 低水準が続く |
2024年 | 約1トン未満 | 歴史的な不漁と報道 |
2025年 | 1トン未満(推定) | 過去最高値を記録した年 |
この表からもわかる通り、近年の初競り時には極端に少ない量のサンマしか水揚げされていない状況が続いています。
■ 水揚げが少なければ価格は高くなる
サンマに限らず、魚の価格は「量」に大きく左右されます。
とくに初競りのような“象徴的な場”では、水揚げ量が少ないほど希少価値が高まり、価格が一気に跳ね上がる傾向があります。

「そもそも数が少ないから、高くなるのは当たり前だよね」

はい、その通り。ご祝儀価格とはいえ、量の少なさは価格に直結します。
つまり、2025年の「サンマ1匹10万円」という異例の価格は、記録的な不漁+ご祝儀相場+話題性という複数の要因が重なった結果なのです。
年間水揚げ量の減少トレンド
「今年だけが特別に不漁だったの?」
そう思う方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。
日本のサンマ漁は、この20年間で右肩下がりとなってきました。
かつては秋の味覚の定番だったサンマが、今や“手の届きにくい魚”になりつつあるのです。
■ 年間水揚げ量の目安推移
年度 | 年間漁獲量(トン) | 備考 |
---|---|---|
2000年代前半 | 約30万トン超 | 豊漁期、大衆魚の代表格 |
2010年代前半 | 約20万トン台 | 減少傾向が見えはじめる |
2017年 | 約6万トン | 明らかな激減が話題に |
2019年 | 約4万トン弱 | 下げ止まらない状況へ |
2020年 | 約2万トン | 記録的な不漁、業界も警戒 |
2021年 | 約1万トン | 歴史的な低水準 |
2022年 | 約1.5万トン程度 | わずかに回復も依然として厳しい |
2023年 | 約1万トン前後 | 継続する不漁 |
2024〜25年 | 速報値で1万トン以下の可能性 | 今のところ回復傾向は見られない |

「えっ、昔は30万トンも獲れてたの!?」

そうなんです。2000年代は“サンマ山盛り”が当たり前でした。
■ 減少の背景には何があるのか?
この急激な水揚げ量の減少には、いくつかの要因が重なっています。
- 海水温の上昇や黒潮の蛇行による回遊ルートの変化
- 中国・台湾など周辺国による漁獲の増加
- 資源管理に関する国際協議の進展不足
- 日本近海にサンマが来なくなっている現実

「船は出てるのに、サンマがいないってこと?」

そうなんです。
操業日数を増やしても、魚がいなければ獲れません。
このままでは、サンマが“日本の魚”として食卓に並ぶ日がますます遠のいてしまうかもしれません。
サンマの価格はどう変わった?
もちろん、水揚げ量が減れば価格が上がるのは当然の流れ。
それを如実に表しているのが、ここ数十年の価格推移です。
■ 価格の目安推移(1キロあたり)
年代 | 価格の目安 | 備考 |
---|---|---|
2000年代前半 | 数百円程度 | 大衆魚価格。家庭の味方 |
2010年代 | 1,000円~3,000円台に上昇 | じわじわ高騰し始める |
2018年 | 50万円(初競り) | 初の大台突破が話題に |
2025年 | 88万円超(初競り) | 史上最高値を更新! |
■ スーパー価格は?
実際に私たちがスーパーで目にするサンマの価格は、初競り価格ほどではありません。
しかし、それでも近年はじわじわと上がってきています。
- 2000年代:1尾 100円前後が主流
- 2020年代:初物は1尾 500円〜1,000円台も珍しくない
さらに、不漁の年は“売り場にサンマが並ばない”ことも増えてきました。
このように、サンマは単なる価格の問題にとどまらず、食卓から消える可能性すら現実味を帯びてきています。
10万円サンマが1000円に下がった理由
さて、ニュースで大きな話題になった「1匹9万9999円のサンマ」。
実際には、その後どうなったのか――その“舞台裏”を見ていきましょう。
■ 販売当日の様子
報道によると、札幌市内のスーパーで初競り後に並べられたサンマは、堂々と「1尾9万9999円」という表示で売り場に登場。
そのインパクトは抜群で、店頭では次々とお客さんが足を止めました。
でも…誰も買わない。
「高すぎて、見て笑って帰るしかない(笑)」
実際、写真を撮る人は多かったものの、購入者ゼロのまま時間が過ぎていったそうです。
そこで、店長は次の一手を打ちました。
値札に「×印」と「価格応相談」の貼り紙を追加し、値下げ交渉に対応するスタイルに変更。
そしてその日の午後、年配のお客さんと交渉が成立し、「1尾1000円」で販売。
しかも最終的には、3尾セットで3000円になったとのこと。
■ なぜそこまで値下げしたのか?
スーパーの店長は、テレビ局の取材にこう話しています。
「あした店が休みなので安く売っちゃいましたけど(笑)」
つまり、そこには現実的な理由があったのです。
■ 値下げの裏にあった“3つの理由”
- ご祝儀落札=話題作りが目的
最初から「高く売ること」より、「注目されること」に価値がある戦略でした。 - 鮮魚は“鮮度”が命
高価なサンマでも、日が経てば品質は落ちていきます。**売り切れなければ“廃棄リスク”**にもつながります。 - 実際の販売価格は“現実的な水準”に戻す必要あり
見た目は派手でも、買ってもらえなければ意味がありません。**鮮魚コーナーでは「売れなければ値下げ」**は当たり前の戦略です。

「結局、普通の高級魚くらいの値段になったんだね」

そうなんです。最初の価格は“話題性”重視、売るときは“現実路線”。
■ 話題性と実利の“バランス取り”
今回のサンマの販売は、ただの「高額取引」で終わったわけではありません。
むしろ、ご祝儀価格で話題を呼びつつ、最後は現実的な価格でちゃんと売るという、スーパーの“巧みな販売戦略”が光った例でした。
特別な初競りの話題は話題、でも鮮魚売り場の現実は「売れなければ値下げ」なのです。
まとめ:サンマ高騰の現実と今後の食卓
2025年のサンマ初競りでは、過去に例のない衝撃的な価格がニュースを賑わせました。
- 1キロあたり88万8888円での落札
- 1尾あたり税抜9万9999円での店頭表示
- 最終的には1尾1000円で販売、3尾3000円で売り切り
という“価格のジェットコースター”のような展開は、笑いと驚きを呼びました。
しかしこの裏には、日本の漁業が抱える深刻な現実が隠れています。
■ サンマは今、食卓から遠ざかりつつある
かつては「秋の味覚の定番」「庶民のおかずの代表格」だったサンマ。
ですが今では、年間の水揚げ量が20年前の10分の1以下となり、“高級魚化”が進んでいます。
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「じゃあ、今年もサンマは高いの?」

おそらく、「例年以上に高値が続く見込み」です。
■ 2025年のサンマ、今後どうなる?
現時点で見えている状況は、次の通りです。
- 8月以降の本格漁(棒受け網)でも大きな回復は見込めず
- 「初物」や「ブランド扱い」される個体は高値がつきやすい
- サイズや脂のノリによって価格差が出やすく、「狙いどころ」はある
つまり、「サンマ=すべて高い」わけではありませんが、選び方の工夫やタイミングがカギになります。
■ 消費者にできること
- 冷凍ものや加工品も選択肢に入れる
- 地元スーパーの特売や鮮魚コーナーの“掘り出し物”を狙う
- 旬のピーク時(9〜10月)をうまく活用する
■ 最後にひとこと
今年のサンマをめぐるニュースは、単なる“高値の話題”にとどまらず、
私たちの食文化や自然との関わりを改めて見つめ直すきっかけにもなりました。
秋の味覚をどう楽しむか――
ぜひ、今回の記事をヒントに、あなたなりの「サンマの楽しみ方」を見つけていただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!