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2025年7月5日に大災害が起きる――。
そんな予言が、今SNSやネットニュースを中心ににわかに注目を集めています。
発端となったのは、漫画家・たつき諒さんが1999年に出版した著書『私が見た未来』、そして2021年に発売されたその増補版『私が見た未来 完全版』に収録された“ある夢”の記録です。
この本の中に「2025年7月に大災害が起きる」と解釈されるような記述があり、それが再び拡散されはじめたことで、「大地震が来るのでは？」「津波の予兆かもしれない」と不安の声が広がっています。
もちろん、現時点でその予言に科学的な裏付けはなく、正式な機関からもそのような災害予測は発表されていません。
しかし、「あの東日本大震災を“予知”していた」と一部で話題になった著者の過去の記録もあり、多くの人がこの話題に耳を傾けているのも事実です。
では、本当に2025年7月5日に何かが起きるのでしょうか？
今回の記事では、たつき諒さんの最新コメントや、予言がどのようにして広まったのか、さらには防災の観点から私たちが今できることまで、冷静に整理してお伝えしていきます。
たつき諒さんの予言とは？
たつき諒さん（現在70歳）は、1990年代に活躍していた漫画家で、オカルトや不思議な出来事をテーマにした作品で知られていました。
中でも1999年に出版された『私が見た未来』という短編集は、ある“ひとつのページ”によって、のちに大きな注目を集めることになります。
そのページには「大災害は2011年3月」とだけ書かれており、当時はほとんど話題になりませんでした。
しかし、2011年に東日本大震災が発生したことで、一気に「この漫画は予言だったのでは？」と注目が集まり、たつきさん自身も驚きをもって受け止めたそうです。
その後、2021年には『私が見た未来 完全版』（飛鳥新社）が刊行され、過去に描かれなかった夢の記録や詳細なエピソードが追加されました。
その中で特に話題を呼んでいるのが、「1999年7月5日に見た夢」についての記述です。
夢の中では、日本とフィリピンの中間あたりの海底が突然破裂し、巨大な津波が太平洋沿岸の国々を襲ったと描かれています。
その津波の規模は、あの東日本大震災の3倍にも達するほどだったとも言われており、かなり衝撃的な内容です。
さらに、「この夢が現実化するのなら、2025年7月5日がその日になるかもしれない」とたつきさん自身が語っています。
――果たしてこれは、偶然なのでしょうか？それとも、何か大きな意味があるのでしょうか？
最新著書での“軌道修正”
2025年6月、たつき諒さんは新たな著書『天使の遺言』（文芸社）を刊行しました。
これは、これまで話題になってきた“2025年7月5日”という日付に関する見解に、大きな変化をもたらす内容でした。
その中でたつきさんは、「7月5日に何かが起こる、という意味ではなかった」と明確に述べ、これまで強調されてきた“特定の日付”に対する考えを見直す姿勢を示しました。
つまり、かつて夢の中で見た映像は、必ずしも「日付と災害が一致する」と断定できるものではなかった、ということです。
この“軌道修正”とも言える発言は、多くの読者やネット上で注目され、「やはり予言ではなく、あくまで夢の記録だったのでは？」という声も広がっています。
さらに、産経新聞に寄せたコメントでは、たつきさんは次のように語っています。
「皆様が高い関心をお寄せいただいていることは、防災意識が高まっている証拠であり、前向きに捉えております。」
このコメントからも、たつきさんが“恐怖を煽ること”ではなく、“防災を考えるきっかけ”として自身の体験を伝えていることがうかがえます。
単なる「予言漫画家」ではなく、社会に対して誠実なメッセージを届けようとしている姿勢に、共感する声も少なくありません。
「予言」の余波、香港からの観光客が減少
「2025年7月5日に大災害が起こるかもしれない」――そんな話題は、日本国内だけでなく、海外にも静かに、しかし確実に広がりを見せています。
特に大きな影響が出ているのが香港です。
きっかけは、たつき諒さんの著書『私が見た未来 完全版』の中国語翻訳版が流通し始めたことにあります。
そこに、香港でも影響力のある著名な風水師が「2025年の日本で大地震が起きる可能性がある」と発言したことが重なり、SNSや動画サイトを通じて一気に噂が拡散されました。
この影響から、香港の人々の間では「日本旅行はしばらく控えた方がいいのでは？」という不安の声が高まりつつあります。
実際に、日本政府観光局（JNTO）が発表した2025年5月の訪日外国人データでは、全体の訪日客数は過去最多を記録したものの、香港からの訪日客数だけが前年同月比で減少という異例の傾向が見られました。
さらに、香港の主要航空会社の中には、日本路線の一部を一時的に減便、あるいは欠航すると発表したところも。
これもまた、旅行需要の低下や不安心理が背景にあるとみられています。
たった一冊の漫画が、海を越えて観光業にも影響を及ぼしている――そんな現実が、今まさに起きているのです。
――では、人々の不安はどこまで根拠のあるものなのでしょうか？
気象庁と専門家の見解
「2025年7月5日に大地震が来る」という噂が広がるなか、こうした予言に対しては、専門家や公的機関からも冷静な見解が出されています。
気象庁の野村竜一長官は公式の場で、「現在の科学的知見では、地震の発生日時や場所、規模を特定して予知することはできません」と明言。
さらに、「このような予知情報は科学的根拠がなく、デマと考えられるため、過度に不安を煽られないよう注意してほしい」と呼びかけました。
実際、地震のメカニズムは非常に複雑で、プレートの動きやエネルギーの蓄積状況など、さまざまな要因が絡んでいます。
現在の科学では、そのタイミングをピンポイントで予測することは極めて困難なのが現実です。
また、2025年4月には長野県北部で、5月には北海道・釧路沖でそれぞれ地震が発生しましたが、一部の風水師は「それこそが予言されていた災害だった」とコメント。
つまり、7月に何か“特別なこと”が起こるという可能性については、否定的な見解を示しています。
たしかに、過去の大災害が多くの人の記憶に残っている日本では、こうした予言に敏感になりがちです。
しかし、必要以上に恐れるのではなく、正しい情報をもとに防災意識を高めていくことが、いま私たちにできる最も現実的な備えではないでしょうか。
信じる前に考える――予言と防災のバランス
「もしかして本当に何か起きるのでは…？」
そんな不安を抱いた人も少なくない今回の“予言騒動”。
実際、SNSやメディアでの拡散をきっかけに、多くの人がこの話題に注目しました。
しかし、社会に少なからず影響を与えた今だからこそ、冷静に立ち止まって考えたいことがあります。
それは、「予言に振り回されるよりも、日ごろの備えが何より大切だ」というシンプルな事実です。
たしかに、未来の出来事がわかれば便利かもしれません。
でも、科学的に証明されていない情報に頼りきってしまうと、不安だけが先走り、本当に必要な備えを見失ってしまうこともあります。
大切なのは、「いつ地震や災害が起きてもおかしくない」という前提で、現実的な対策を日常に取り入れることです。
たとえば――
- 自宅や職場にある防災グッズを定期的に見直す
- 避難場所や避難ルートを家族で共有しておく
- 災害時のための連絡手段や集合場所を話し合っておく
こうした備えは、予言に左右されず、**どんな災害にも通用する“本当の安心”**につながります。
「予言＝恐怖」ではなく、「予言＝気づきのきっかけ」として、ポジティブに防災意識を高めていけたら理想的ですよね。
まとめ
たつき諒さんによる「2025年7月5日に大災害が起こる」という予言は、あくまでご本人が過去に見た夢をもとに描かれたものであり、科学的な根拠に基づいたものではありません。
一部では“的中した”とされる東日本大震災の記述が注目されましたが、それも偶然の一致と見る専門家の意見が大半です。
2025年6月に刊行された最新の著書『天使の遺言』では、たつきさん自身が「7月5日に何かが起こるという意味ではなかった」と明言し、これまで話題となっていた“日付”の意味合いについて軌道修正を図っています。
しかしその一方で、香港をはじめとする一部の地域では、この予言が人々の不安をあおり、訪日旅行のキャンセルや航空路線の減便といった具体的な影響も見られています。
SNSや翻訳書籍、さらには著名な風水師の発言などが重なり、情報が一人歩きしてしまった形です。
こうした状況に対し、日本の気象庁や地震の専門家は繰り返し、「地震の発生日時や場所を正確に予知することは現在の科学では不可能」と注意喚起しています。
大切なのは、不確かな予言に振り回されるのではなく、冷静に正しい情報をもとに行動することです。
災害はいつ、どこで起きてもおかしくありません。
だからこそ、日常的に防災意識を持ち、備蓄の確認や避難経路の共有、家族との連絡手段の確認など、現実的な準備をしておくことが、何よりも安心につながります。
話題性のある予言に過度な不安を抱くのではなく、それをひとつの“気づきのきっかけ”として、防災を見直す良い機会にしていきたいですね。